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〔ロンドンバージョン〕 翻訳・脚色=ロジャー・パルバース ロンドン版脚色=野田秀樹&マット・ウィルキンソン 美術・衣裳=ヴィッキー・モーティマー 照明=リック・フィッシャー 選曲・効果=高都幸男 出演= 野田秀樹(赤鬼) タムジン・グリフィン(あの女) マルチェロ・マーニィ(とんび) サイモン・グレガー(水銀) 他 |
〔タイバージョン〕 翻訳=プサディ・ナワウィチット 共同演出=ニミット・ピピットクン 美術・衣裳=日比野克彦 照明=海藤春樹 選曲・効果=高都幸男 出演= 野田秀樹(赤鬼) ドゥァンジャイ・ヒランスリ(あの女) ナット・ヌアンペーン(とんび) プラディット・プラサートーン(水銀) 他 |
〔日本バージョン〕 美術・衣裳=日比野克彦 照明=海藤春樹 選曲・効果=高都幸男 出演=小西真奈美(あの女) 大倉孝ニ(水銀) 野田秀樹(とんび) ヨハネス・フラッシュバーガー(赤鬼) |
-STORY- |
村人に疎んじられる「あの女」と頭の弱いその兄「とんび」、
女につきまとう嘘つきの「水銀(ミズカネ)」が暮らしていた海辺の村に、
異国の男が打ち上げられたことから物語が始まる。 言葉の通じない男を村人達は「赤鬼」と呼び、恐れ、ある時はあがめ、 最後には処刑しようとする。彼と唯一話ができる「あの女」も同様に処刑されそうになる。 「水銀」と「とんび」は捕らえられた二人を救い出し、 赤鬼の仲間の船が待つ沖に向かって小船を漕ぎ出すが、船影はすでになく、四人は大海原を漂流するのだが……。 |
-COMMENT- |
赤鬼ーーー!!!!つーことで野田秀樹戯曲、待望の再演でございます。
今回はですね、こちらの赤鬼を、ロンドンバージョン、タイバージョン、日本バージョンと
わけまして、同じストーリーでも、各国の文化等によりどう違うかというのを楽しめるものになっております。
私は奮発して、3バージョンすべてチケット手にいれましたぁ。
これはですね、ストーリーがすごく面白い。喜劇のようで、めちゃめちゃ悲劇です。
人間が自分と違うものにどんなことをするのか。テーマが深い。考えちゃいますね。 |
《ロンドンバージョン》 千秋楽に見てきましたぁ。いやー面白かった。英語なので、通訳のイヤホンつけてだったんですけど、英語が分かったらもっとおもしろかっただろうなぁ。 特設ステージも面白くて。やっぱ千秋楽だからか、役者もすっごく良くて。舞台には大きな タンスのようなものしかないんですけど、それを扉のように使ったり船に使ったり。よくあんなの思いつくなぁ・・・と感心してしまった。すごいよ野田さん。 赤に統一された衣装も、村民の排他的なものが表れててよかったです。 ロンドンバージョンということで、なんかブリトニースピアーズを引き合いに出したりしてて、 そんな遊び心がたまりませんでした。出演者は全部で八人。休憩はなし。一人二役をこなしたり、 突然老人になったり。タイバージョン、日本バージョンにも期待!! |
《タイバージョン》 初日の9/14に見に行ってきました。今回はなんと最前列!!特設ステージで、高さもあまりなく、 かなりの臨場感を味わえました。あんなに近くで見たのは初めてです。 ストーリーはもちろん同じですが、今回役者は15人。やはり見ごたえはありました。ロンドンバージョンと違い、タイバージョンは全て白で統一。箪笥だった小道具はちゃぶ台に。なるほどねー!!こう使うのか!!とあっぱれ。そんな中、赤鬼役の野田さんはこれまた鬼っぽい風貌。 ロンドンの時は、西欧人の中にアジア人がいる、それだけで十分異様なものに見える、ということで、チノパンにパーカーというなんとも質素な衣装だったのですが、今回はタイで、見た目はさほど変わらないので鬼らしい格好をしたのだとか。こういう違いも、やはり面白い。 それにしても、役者さんがとてーーーも良かったです。熱演っていうんですかね。すっごく伝わってきて。役者がよかったっていうのはロンドンのほうでも書きましたが、なんていうんだろう、やっぱり、みんな海外から来てるし、この芝居を成功させたいって気持ちが強いのかなぁ。素人の私には良く分からないけど、とりあえず、演技力もあるし、感動できました。
タイらしい美しさ、しなやかさ、明るさが満載でタイ好きとしてはとても楽しめました。所々タイ語も分かって、楽しさ倍増。個人的には、ロンドンより好きでした。 |
《日本バージョン》 面白かったー!!もうすっごく面白かった!!今回の赤鬼3バージョン全部見、やっとすべて見終わりましたよ!! 日本バージョンは他のバージョンの中でも一番少ない4人での舞台。これがまたすごいんですわ。自分が思っていたよりずっと面白くて驚き。やっぱりロンドンとタイの時は同時通訳機で聞いてるから、細かい笑いとかは分かんなかったりしたんですが、日本語だとアドリブのギャグとか、そういうのも全部分かるし。 そしてロンドン、タイでもそうだったように、やはり役者がすっごく良かった!!!!小西真奈美、大倉孝二、野田秀樹の身のこなしといったら!!四人芝居なので、ものっすごく頻繁に人物が変わっていくんですよ。さっきまで「あの女」を演じていたこにたんが突然村長になったり、野田秀樹が超頭の弱い兄、とんびを演じていたと思ったら、村の一主婦になったり。それが、こちらが混乱しないようにうま〜く、かつコミカルに行われているんですよ。これが一番凄いと思いましたねぇ。だって思い浮かばないもの〜あんな展開。凄い!!野田秀樹恐るべし!!そしてそれをどう演じたら面白くなるか分かっている大倉孝二。彼は才能あるな〜〜〜まじやばいですよ。自分的に相当きてます。さすがナイロン100℃!!ケラリーノ万歳!!マンセー!!(一応説明しておきますと、ナイロン100℃とは、大倉孝二が所属している劇団。ケラリーノはその主宰者)間違いなく、これから先もずっと重宝される俳優ですな。彼みたいな人はテレビにも舞台にも映画にも必要です。 こにたんは、あんなに線が細くてかわいらしかったのに、ちっとも弱々しい感じがしなくて。芯の強い、でも本当はいろんなことに傷つきながら生きていっている雰囲気がすっごくでてました。「あの女」はそんなに強い女ではない。こにたんを見ていたらなんだか切なくなりました。彼女は本当にいい女優ですね。
ラストはもちろん同じ。あのラストは、本当に何度見ても考えさせられます。人間って怖い。怖くて、美しくて、弱い。そんなことを思いました。 |