原作:泉鏡花  演出:三池崇史  脚色:長塚圭史
出演:武田真治×田畑智子×松田龍平/松雪泰子

   「目に見えないもの」を信じ敬う者。それを笑うもの。
そして、水底に棲み人間たちを操る幻想的な生き物。
地上と水の下、二つの世界を美しく交差する悲しい恋物語。




 
-STORY-
少し前の日本。夜叉ヶ池のふもと、越前鹿見村琴弾谷は日照りに苦しんでいた。 そこに村人たちから離れ、過去を隠すかのようにして古い鐘楼を守る男女がいる。 萩原晃と百合の夫婦である。
夏の夕暮れ、一人の男が通りかかる。その男、学円は、晃の顔を見て声を上げた。 二人は古くからの親友だったのだ。学円に姿を消した訳を問われた晃は語りだす。
旅の途中、ここを通りかかり、先代の鐘楼守であった百合の父の死に目に偶然遭ったこと。
その昔、人間が夜叉ヶ池の龍神に人間が一日三度の鐘をつく約束をしたこと。
もし破ると夜叉ヶ池から津波が起こり、村は水没してしまうこと。
村人たちがこの約束を忘れ果てていること。百合の父に代わって晃が鐘をつき続けてくれるよう頼まれたこと。
……百合の父親のあまりの迫力に打たれた晃は、幻想的な美女、百合と夫婦となり、この地で鐘楼守となって生きることを決意したのだった。
晃と学円は池へと出かける。家に残された百合は、人形を抱き、子守唄を歌い、孤独な夜を過ごす。

夜叉ヶ池の底にすむ池の主・白雪姫は千蛇ヶ池の若君に恋をしている。夜叉ヶ池を離れ、若君のいる千蛇ヶ池に行きたいが、人間が鐘をつき続ける限り、白雪姫は夜叉ヶ池にいなければならない。
地上では日照りに苦しむ村人たちが、百合を雨乞いの生贄にしようと、晃と百合の家を訪れる。村人たちが百合を牛の背に縛り付けようとしたその時、虫の知らせを聞いた晃と学円が駆け込んでくる。
村人たちは、日照りのときは村一番の美女を生贄として差し出すことになっていると晃に告げる。晃はこれを拒み、村人たちと乱闘となる。
百合は胸を鎌で切り、自殺する。「一人ではやらん、冥土で待てよ」と晃は叫び、自ら喉を切って百合の後を追う。
人間が龍神との約束を破ったその時、鐘楼守を失った鐘が崩れ落ちる。激しい雷鳴、あふれ出る水。池の底では、もう人間との約束を守らなくてもよくなった白雪姫が、やっと千蛇ヶ池の若君のもとへ行かれると喜ぶ。
やがて水中で安らかに微笑んでいる晃と百合の幸せそうな姿が見えてくる。


-COMMENT-
とにかく必見の芝居!!スタッフも役者も極上。
まず演出は「着信アリ」「ゼブラーマン」などを手がけた三池崇史!!今回初舞台演出です。
そして役者は萩原昇に武田真治、昇の妻百合に田畑智子、学門に松田龍平、夜叉ヶ池の主・白雪姫に松雪泰子と超豪華!! ちなみに松田龍平と松雪泰子はこれが初舞台。なんとも楽しみです(特に龍平くん・・・笑)
他にも萩原聖人、きたろう、丹波哲郎など、映画界の実力派俳優たちが軒を連ねています。
この美しい原作を三池さんがどのように演出してくるのか・・・非常に興味深いです。
龍平くんも、舞台は一度はやってみたかったらしいのですが、「これが最初で最後かも」とか、 「32公演もできるかな。途中で逃げ出しそう」とかなんとも後ろ向きな事を言ってます。(そのへんが最高。笑) 彼のFANは見逃せないですよ・・・?

東京公演は10/14(木)〜10/31(日)、パルコ劇場にて。チケット発売日は7/11(日)。(ちなみにペケは徹夜で並ぶ気です・・・笑) 他にも名古屋、大阪公演があります。
詳しい情報はこちら


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